Apr 15, 2021

コンストルとは 1.日本での運用

日本においては、
2017年にCore Studioを訪問し、日本での展開について議論を交わしてきました。

国内での普及の大きな壁は、
BIM実務者による、現実的なBIM連携の議論が少なく、なんでも変換できる100%のツールを求められてしまうことでした。

そこで、以下の3点に配慮しながら、2018年から2019年の間に、
清水建設株式会社設計本部内で教育・運用を重ねながら日本国内での展開を検討してきました。

1.100%の変換ツールはない:ツールの違いは言語の違いと同じ
日本語から韓国語への完ぺきな自動翻訳がないのと同じように、100%完ぺきな自動変換ツールはとても難しいです。
(あきらめと現実を受け入れることが大事)
CoreStudioでは、「リンゴをオレンジに変えるようなもの」という表現をしています。
同じ「果物」というジャンルだけど、全く違うものであることを理解することが大切です。
そもそもソフトの構成も目的も異なるので完ぺきな変換は難しい。
7割変換できたら、まったく変換できないより良いだろうという優しい気持ちで取り組むことが大切です。

2.いろんな変換ツールが多様にあってよい:用途・目的に応じて臨機応変に
ソフトの開発や利用方法が刻々と変化する中で、1つのツールだけで多様な変換条件を可能とすることを求めるのではなく、
さまざなまデータ変換手法を運用したほうが現実的です。
(あまり多くを求めない)
コンストルの開発のきっかけは、構造設計者のデータ変換にかかる時間を削減することでした。
そのため、コンストルは構造モデルの変換に重きを置いており、設備や意匠モデルの変換をするときには足りない機能もあります。
すこしづつ機能強化していけばいいですし、足りない機能は他のツールで補うのでよいと思います。

3.協力し合おう:関係者全員で取り組むために
3DCAD・BIMモデル連携の辛いところは、複数のソフトを利用できる人が1人で変換作業に対応せざるを得ない状況が多いことです。
そして多ソフトを使える人の人数はなかなか増えていかないという実情があります。
(みんなで協力することが大切です)
コンストルは、一旦クラウドにモデルをアップロードするので、Rhino+GH担当の人がモデルをアップロードして、
Revit担当の人がダウンロードして、修正・作図作業をしていく、といったように協同で作業する環境を構築できます。
特徴を生かして、たくさんソフトを使える人の仕事が増えない様に気をつけ、みんなで関わって作業できる環境にしていきましょう。

日本でさらに利用するにあたって、コンストルが連携できる日本の構造解析ソフトとの連携が必要であると考え、
株式会社構造システムにご協力いただき、SNAPとの連携開発を2020年から着手しました。
現在、運用試行中です。

2022年度に一般公開を予定しております。